背徳感と戦いながらの不倫であり、最後の選択を選ぶまでの過程に雰囲気を感じられたが、要所要所のシーンはあまりにもフェイク的過ぎた。
一番の見せ場は妻夫木聡と夏帆の濡れ場なのは間違いないはず。
ただ、シーンの度に夏帆の身体が映らないよう不自然にカメラの角度を変えたりしているのは…
女性目線を意識したとの事だったが逆に違和感を強く感じてしまった。
監督自身、なるべく近くで撮ることでリアリティーを追求したとのコメントも残していたところ、それにはこの方法では無いような気もするし、他にも説得力を有するやり方はあったんじゃないかな。
しかし、いまいちだなぁと感じたのはこの部分のみで、他の部分は主演の二人の何処か煮えきらない感じや鬱屈した想いが作品のテイストとマッチしていて決して悪くはなかった。
病を抱えてどこか虚ろな男と罪悪感や言いようのない柵を抱えながら戦い抜いた女の覚悟。
そういった強靭な意思を本作の夏帆からは感じられ、ラストシーンの家族との場面もそれまでの想いを全て解き放つかのような強い歩みで、『これからは違う道を進みます!』と言わんばかりの勢いを感じられた。
