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Redのsayaのレビュー・感想・評価

Red(2020年製作の映画)
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島本理生読者として、前作“ナラタージュ”ほどの憤りは感じなかったけど、やはり原作とは別物。
真君とすき焼き食べるシーンと、鞍田さんとのっぺ汁食べるシーンが、二人の男性の圧倒的違いを感じさせる。でも真君も悪い人ではない。不器用なだけ。映画だとそのあたりが薄くて、ただのモラハラ夫みたいになっちゃってるのが残念。
塔子は、他人から見たら幸せな状況ではあるのかもしれない。稼ぎのある夫、可愛い娘、口うるさいわけではない姑、立派な家。状況や環境で幸せになれるわけじゃない。でも、家族がいるのに自分の幸せだけを追い求めていいのだろうか。
ラストは、原作のもつ良さをまるっきり無視している気がする。原作は、母になった島本さんだからこその母としての選択だった。
音楽はすごく好きで、音楽で泣きそうになった。Jeff Buckleyの“Hallelujah”が染み渡った。
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