Fsuke

マトリックス レザレクションズのFsukeのレビュー・感想・評価

4.0
自己言及、自己否定、自己満足。

アクションが全然パッとしない感じで、それは予告の時点でそんな気はしてたからいいんだけど、そもそもどのカットにも前作までにあった迫力や色気が全然無いのが残念。
これは妹がいないことも関係してんのかな。
でもモーフィアスやスミスと戦ってるキアヌの佇まいは、所々カッコよかった。
終盤はバリアに頼りすぎ。

ストーリーは全部を理解できた訳じゃないけど、トリニティの物語を語る事が前提としてあって、細かく設定詰めてるかは怪しい気がする。
前半のデジャビュを感じさせるシーンや、メタ発言連発の会議が面白い。
バレットタイムをおちょくるシーンも楽しかった。
ヒューゴ・ウィーヴィングがいないのは痛手だったと思う。
もしいたらスミスが出るシーンは、もっと盛り上がったはず。
新キャラの掘り下げがあまりないのも残念。
バッグスとかもっと見せてほしかった。

不満はあるけど、インタビューを読む限り両親の死が制作の切っ掛けだったみたいだし、そもそも観客の為の映画である前に、極めて個人的な作品なんだろう。
アナリストのセラピストとしての役割は、ラナ・ウォシャウスキーのセクシュアリティも関係してそうだし。
抑圧と自由。
自分は何者であるか。
時が経って表現は変われど、描いている事はちゃんと地続きだったと思う。
飛び立っていく2人は凄く解放的に見えた。

だから良かったとは思う。
でもスピンオフをやるなら、またカッコつけまくった映像を見せてくれてもいいのよ。
Fsuke

Fsuke