近藤啓二

マトリックス レザレクションズの近藤啓二のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

本編がエンドクレジットのあとという、かなりの攻め方。

「映画は死んだんだよ、お前らはネコの動画でも見とけ、キャットリックス! 二時間半お疲れ!」

コレが全て。

他の方のレビューでも触れられているが、明らかに狙って創られたセルフパロディではあるが、失敗したのか、狙い通りなのか。
何故、稀代の傑作を生み出したそもそもの本人がいまコレを作ったのか、モヤモヤする。

前3部作のようなエポックメイキングは何もないが、かといってこのペラペラさ、強烈な印象を残したメロンビンジアンたちのギャグみたいな落ちぶれ具合、ただ不倫の駆け落ちにしか見えない人妻トリニティなど、解っててわざと笑わせにかかってるとしか思えない節もある。

ワーナーに嫌々創らされたか。
ノリノリで創ったか。

前半、このメタ構成とともに現実世界に対する新しい捉え方を提示しようと試みている部分があって、お?っと期待していたが後半、それが掘り下げられることはなかった。
たぶん、それをやるとエンタメとして破綻するからかもしれない。

いずれにせよ、アベンジャーズに代表されるようなここ最近の何も残らないバース映画とは違い、すごくヘンな映画なので後々も好事家に語られる作品になっていくかもしれない。
「泳げ!たいやきくん」に便乗して出された、山本リンダの「わたしの恋人たいやきくん」を聞いた時の困惑にも似てる。
近藤啓二

近藤啓二