アキラナウェイ

マトリックス レザレクションズのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

2.0
さーて、困った。
どげんレビューしましょか。

「マトリックス」は好きだけど、どハマりしたとまでは言えない。最新作を観るにあたり、過去作を復習するタイプでもないけど、ちゃんとシリーズはリアルタイムで追いかけている。

そんなライトなファンである自分には、この作品は全然面白くなくて。シリーズをこよなく愛している玄人向けの作品という印象。一見様お断り。喩えるならば京都の老舗の敷居の高さ。

前作以降、ネオ(キアヌ・リーブス)が今も尚マトリックスに繋がれていたとしたら—— ?

過去の記憶を自作のゲームのストーリーだと思い込み、トーマス・A・アンダーソンとして生活しているネオ。彼と同様に、ティファニーという女性として仮想現実を生きるトリニティ(キャリー=アン・モス)。

1作目を彷彿させる、ネオが現実の生活に疑いを持ち始めるプロットは良い。本作で新たに登場するニュージェネレーション的な若いキャラ達も良い。

でも、相変わらず難しい世界観。並べ立てられる専門用語とややこしい説明。過去作に対する理解を試される様な台詞の応酬。

もう、遠慮なしに数分寝かせてもらった。寝ても覚めても理解度は変わらないと思ったから。

以下、感じた事を徒然なるままに。

・過去作のあれこれをゲームに見立てて自虐ネタとして扱う寒さ。
・モーフィアスとスミスのキャスティング変更がもたらす違和感。
・富士山や鶴のデザインがあしらわれたヘンテコな内装のニッポンの新幹線。
・"まだ"飛べないネオのカッコ悪さ。
・終盤はバリア(防戦)一辺倒の退屈さ。

見事に全てがスベっている。

結局やりたかったのは、トリニティの救済なんだという事はわかった。でも、マトリックス愛を試されている様な作りが気に食わないし、そもそもシリーズ云々は別にして、作品単体として、単純に面白くない。

まだレビューしていないけど、スパイダーマンの過去作を全く観ずに「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」を観た娘は、それでも面白かったし、何度も泣いたと言っていた。過去作の事を知らなくても作品として楽しめていた。

映画って本来そうあるべき。

過去作をきちんと観て、世界観を理解して、キャラクターを愛しているコアなファンにしか面白さが伝えられない程度の作品なら、劇場公開はスルーしてソフト化するだけで良いと思う。

キアヌもキャリー=アン・モスも出演しない、全くのスピンオフで新たなマトリックス世界を描いた方が面白かったかも。

全然関係のない余談だけど、Matrixは"マトリックス"ではなく"メイトリックス"だし、エド・シーランのニューアルバムは"イコールズ"ではなく"イーコールズ"だし、外国人でよく見る名前の"セシル"は"シーセル"。

英語を聴こえたままに表記しない日本語のカタカナ発音って、海外で全く通じないからいい加減この悪癖はやめた方が良いと思う。