本日の一本その３。
巨額の制作費を注ぎ込んだ監督ウォシャウスキーの自伝というか。まぁこんなことは確かにある程度のファンを持つマトリックスにしかできないかもしれない。
ネオ達よりも脇役というか、一人ひとりの短いセリフの中につねにマトリックスの影を背負って生きてきたことを伺わせる話がチラホラ。4をはよ作れと何度でもいわれ続けていたんだろうな。しかしそれをおそらく脚本に口を挟ませないことを条件に制作して、兎に角自虐的に彼らのセリフに落とし込む。そのバカバカしさに笑えてくる。正にファンしか楽しめない作品とはこのことだ。一応の説明は過去作を知らない人でもなんとなく伝わるようにはしているが、結局は最後に置いてけぼりにするのもやっぱりマトリックスである。
勿論本作はマトリックスである以上ファンが求められているものをやろうとしている。カンフーアクションなり大量のスミスならぬBOTが襲うシーンとかだ。この映画はもはや全く新しい映像体験など出来もしないことをわかっているからか、ファンに頑張ってなるべく寄り添おうとしているのが過去作よりも伝わってくる。愛してくれてありがとうということなんかな。
まぁ結局なにやってんのかよくわからないが、ぽっと出の同窓会映画よりも役者陣はカラダ張ってるしそういうのは他とは違うSFアクションを楽しみたい人には過去作を見た上で楽しむといいかも。ただしエージェント・スミスとモーフィアスの役者が違うのがこういう作品では致命傷になりうることもあるのだ。
