リーアム兄さん

マトリックス レザレクションズのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
アナリスト「君たち人間は無意味なものを好む。なぜか?何がフィクションを現実に変える?感情だよ。」

前作で機械達との戦いののちに再び機械に取り込まれてしまったネオ(キアヌ・リーブス)は再びアンダーソンとしてマトリックスの中の世界で生活をしていた。「マトリックス」というゲームの制作者という設定を与えられており、かつての記憶はすべてそのゲームのストーリーとされてしまったアンダーソン。かつての記憶が頭の中に浮かび上がってくる現象を自分の幻想だと思い込み、定期的にセラピーを受け、青い錠剤を処方され続けていた。それでもどこかこの幻想が自分の記憶の中にあることの疑念が払拭できないアンダーソンは徐々に自分が生活しているこの世界が少しずつ環境は変わっていくもののベースとなるストーリーラインが変わっていないことに気づき始める。そんな中、現実世界からマトリックスに潜入しているバッグス(ジェシカ・ヘンウィック)と出会い、自分が制作したゲームのキャラクターであるはずのモーフィアス(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)を紹介される。1作目と同様ここでアンダーソンはモーフィアスから赤い錠剤と青い錠剤を見せられ、真実を知るか虚構で生きるかの選択を迫られる。赤い錠剤を飲み再び機械に支配された現実世界に戻ったアンダーソンもといネオは自分と一緒にトリニティー(キャリー=アン・モス)も機械に取り込まれていたことを知り、彼女の救出を目指す。マトリックス世界とネオの戦いが再び始まることになる。

ウォシャウスキー姉妹による「マトリックス」シリーズの4部作目。
かつての出演者たちがそのまま登場し、ネオが3作目で機械と戦ったその後の世界を描いている。
ローレンス・フィッシュバーンやヒューゴ・ウィーヴィングが出演していないのは残念だったが、メロビンジアン役のランベール・ウィルソンが出演していたのは嬉しかった。

「マトリックス1」をオマージュした描写と今作の新しい描写が混ざり合い、過去作品とは違い進化した映像技術で新たに制作されていることで序盤の方は懐かしさと新しさが混ざり、痒いところをくすぐられるような感覚になった。

ただやはりマトリックスというべきところではあるが設定が難解…
今作から出てきたアナリスト(ニール・パトリック・ハリス)が敵役となるのだが、このアナリストがなぜマトリックス世界で誕生したのか、ネオとトリニティーが虚構世界で再び生かされている理由は何なのかをセリフ中で説明してくれるものの正直よくわからない笑

過去作ではマトリックス世界が「目的」や「因果関係」といった機械が理解できることを基本としていたことに対して、今作のアナリストはマトリックス世界の住人ながら「感情」という人間独特の要素を理解している。
機械が人間をより理解するために感情を学習するプログラムをアナリストとして生み出し、その感情学習の教材としてネオやトリニティーをマトリックス世界で生かしたのだろうか…

4部作すべてを見終わっても何回でも考察することができる、哲学的な映画であることは変わりなかった。