残念でした、と感じざるを得ないか。
何か今風のそれっぽい見た目で誘い、期待を胸にいざ実食するも味は中の下のネット通販、とピッタリ重なる気がしてならない。
あの死闘から幾年の歳月が流れたか。
現実か空想か、無味な世界に生きるネオ。
自らが感じる戸惑いや不安は一体どこから来るものなのだろうか。
マトリックスへと再び誘われる。
たとえば、本作だけを観た人は何が面白いと感じるのだろうか？
最初から観ろよ、という元も子もない論争はさておいて。
本作を一文で表すならこん感じか。
『昔凄かったらしい記憶喪失のイケおじが、スーパーパワーを取り戻すも戦い方は忘れてしまったままでアワアワしてる映画』
では、振り返って、過去のマトリックス三部作は何が良かったのだろうか。
僕もマトリックス信者ではないので、エンタメとしての楽しみ方しか理解していないが。
言いたいことはよく分からないけれど、何かクールで強くてカッコいいところ。
それは揺るがないものとして持ち合わせていたと思う。
もちろん、作り手が作りたいものと僕らが観たいものが必ずしも合致しないのは重々承知している。
けれども、合致してますよという体を装う、あるいは顔の見えない誰かがそう囁くのは、遠慮願いたいものだ。
