しー

マトリックス レザレクションズのしーのレビュー・感想・評価

4.3
色々な意見があるけど、個人的にはネオとトリニティーが再び会えたのは嬉しい。リアルタイムで追った世代としてはレボリューションズの2人の結末は世界を救ったとはいえ悲しさも相当強かった。単純にあの2人が会えたことで救われた20年ほど前の感情がある。
もちろん複雑な思いがあるしこの映画も2元的な評価は避けるべきかもしれない。

過去の名シーンを織り込む前半はノスタルジーに浸らせるためかと思ったけど、映画の中の仮想現実世界でのネオの感情の揺らぎに没入させるためかと思うとなるほどだった。


マトリックス内のネオはマトリックスという3部作のゲームの製作者になっていて、3部作でのできごとはゲームだったということにされている。これにより3作の映画についての感想であったりが世界観を壊さずしてメタに語ることが可能になる。これは賢い笑 ネオが若手クリエイターのマトリックスの感想と触れるシーンはダイレクトにラナウォシャウスキーの投射に感じた。ウォシャウスキーも続篇を作るのに相当色々感じたのかワーナーやメディアに対する皮肉がおもしろい笑

旧3部作はプログラムやインターネットをモチーフに、人間が自ら意思を持ち選択して生きていくことについて人間の哲学性を描きシリーズの骨組みを作った。
インターネット黎明期の当時とスマートフォンが主流になった現代の比較や、LGBTへの理解が広まりつつあるもののまだまだ差別がなくならこと。時代背景の変化とウォシャウスキー兄弟が姉妹になったこと。環境も製作者も大きく変わったことがストーリーにも散りばめられている。映画のスタイルが変われども、時代への風刺、メッセージがシリーズを通して表現されていてブレない。


2回目で気づいたけど最初のシンモーフィアスを連れ出すシーンはマトリックス内の、さらにゲームのマトリックスの中の話だった。別にミスリードもなにもないのに勘違いしてた。マトリックス内のさらにゲームのマトリックスに侵入したバッグスが、新モーフィアス(スミスとモーフィアスを基にしたネオが作ったプログラム)をマトリックスに連れ出すということになる。さらに言えばアイオには物質として現れることが可能になっている。ローレンスフィッシュバーンの出演がないのは寂しいけど、この登場はトリッキーで面白い。

クリスティーナリッチのカメオは気づかなかった。
クライマックスでの距離感を見るとバッグスとレクシーはもしかして恋人同士?

マトリックス一作目のエンディングはwake up、本作もwake up(カバーだけど)
もしかしたら再度3部作もあるのかな?
しー

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