翼

マトリックス レザレクションズの翼のネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

マトリックス三部作がサブカル作品として、あらゆる観点から考察され分析され、VFXとあのポーズとバレットタイムが擦られまくっていることを揶揄するメタな視点はシンプルに面白い!
「マトリックスと言ったらあのポーズだろ?」と言う、製作者が最も言われたくないであろうレッテルに近い批評をわざわざリザレクションズでやるという自虐的セルフオマージュ。このまま同人作品路線で40分番組でも良かったんじゃないかと思いつつ、そこはやはり腐ってもマトリックス作品なわけで機械に支配(また?)された世界へと突入していく。
あの厨二心をくすぐる、退廃的ないかにもオタク中学生が妄想しそうな世界観はゲームだからです〜って設定は説得力がある。(それをキアヌが作りましたって意味でも納得感ある。)
弩級のサブカル作品としてマトリックス三部作を擦りまくったファン層が「どれどれ4作目のお手並拝見…ww」と斜に構えたスタンスを逆手に取る様が清々しい。そうそう、本作はレビュー欄見ても賛否がくっきり別れるけど、『マトリックス』にVFXとアクション≒バレットタイムを求める人にはつまらなく、メタファーに満ちたサブカル作品として楽しんでる人は「そう来たか〜」とかニヤつきながら高評価してる印象。私は後者なので楽しめた。

とは言えだ。シリーズに渡りこれまで仲間と自身を犠牲に人類を救ったネオが、仮想世界でトリニティと一緒にムカつく青メガネをぶん殴って空飛んでendって。いよいよ前三部作はなんだったのかという気持ちにさせられる。エンドクレジット後のオマケからして、外野がクサして楽しむのは良いとして製作側がそっちに回られるとピュアなファンの行き場が失われるよね。
それをリザレクション=復活として呼んでいいのかは些か疑問。
翼