なんとなく見るのを渋っていたのは、ひとりよがりの作品だったらイヤだなあ、っていうエディ・マーフィへの警戒心があったせいなんですけど、冒頭からマービン・ゲイしかりテンプテーションズしかり、ドがつくメジャー系がBGMとして採用されており、あ、大丈夫かも。ってなるから音楽の使い方ってだいじ。
今年になってから見た『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)も大好きでしたが、あれ何がすごいってネタバレを回避する映画評論家各位の愛を一身に集めているところだと思うんです。いちばん語りたいところに触れられない作品って何。面倒くせえ、さすがタランティーノ。
みたいな「愛に囲まれてる感じ」がこの『ルディ・レイ・ムーア』も同じっていう。アース・ウインド・アンド・ファイアーってバンド、無理やりリスナーを持ち上げてくるところあって、強引やな。いや強引。と粗品ふうにコメントしながら聞いてしまうんですけど、彼らに似てるかもなあこのノリ、と思いました。
