あれれ?どうしちゃったのアサイラム。って作品。
新境地開拓なのか真面目に2次大戦物を撮ってみたが、染み付いたB級魂は隠し切れずに、かなりの破壊力があるグダグダ作品となって、期せずして「新お笑い路線」を開拓してしまったようだ。
主役のでぶでぶウェストン”ニコラス・ケイジの息子”ケイジがもう笑いを取りに来ている。
力んだ演説や大根演技は凄く今後アサイラムで活躍しそう。
繰り返される同じ台詞や、恥ずかしくなる「ウーラー!」の掛け声。銃器のいい加減な描写も笑いどころ。せめて手榴弾はピンを抜いてから投げよう。
普通のアサイラム作品は低予算で四苦八苦する監督を想像したり、やけくそでぶっ飛んだストーリーになっていたり、映画スターになったと勘違いしている大根役者が大見得を切る演技をしたりするのを、大笑いしながら見るのが醍醐味だ。
しかし今作はもう一つ上級の観かたをしないと笑えない。本人は大真面目だが、B級魂がチラチラ見えてしまっているという面白さ。
例えるなら、トムフォードの高級スーツ着てるけどチャック開いてるよ、って感じ。
従来のアサイラムの楽しみ方を知っている人なら、今作の変化球も十分楽しめるだろう。
モックバスター脱却を狙ったのだろうが、新境地を開拓してしまった作品で、今後この手のお馬鹿作品が量産されそうで楽しみ。
愛情を持っての低得点とさせていただく。