いの

散歩する植物のいののレビュー・感想・評価

散歩する植物(2019年製作の映画)
3.8
ジャケ写の印象通り、緑と光がとてもみずみずしい。透き通ってる。お姉さんと少年は、汚れちまったかなしみをきっとまだ知らない。透き通った悲しみ、そして、透き通った明るさ、この2つが共存してる。植物になりたい奏子。植物園での少年 航くんとの出会い。植物ごっこから、ごっこ遊びじゃなくなっていく。植物になっていく航くん。植物は(って、他の生きとし生けるもの全てに当てはまることなんだろうし、なんなら生物じゃなくたって、他のブツだって同様なのかもしれない)、それを美しいと感じる人にとっては、それはどんなにか美しい。できることなら、自分を美しいと感じてくれる人のところで生きていたい。そのままでいいよって言ってくれる人のところで生きていたい。わたしは、あなたがみたくないと思うもの全部を吸収して、キレイな空気を差し出したい。あなたが差し出してくれるものを取り入れて、わたしが差し出せるものを差し出したい。できるだけキレイなものにして差し出したい。ボクの根っこを深く深く掘り下げていって、地球の裏側で待っている君と手を繋ぎたい。


フィルマのあらすじにあるように、不思議な映画でした。年末から新年、そして春先にかけてのお話だから、観るのにはちょうど良い季節なのかもしれない。頭のなかから言葉を追い出して頭のなかからっぽにしたいって、誰もがやってみたことあるのかな。あれ、なんかい試してみてもうまくいったことなかったな。



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『怪物はささやく』を思い出す。あとなぜか、「象の消滅」と「眠り」をもっかい読みたくなる。多分よみなおすことになるだろう(全く関係ないのに)。
いの

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