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スーパーミキンコリニスタの映画初心者のレビュー・感想・評価

スーパーミキンコリニスタ(2019年製作の映画)
3.7
地上波で初鑑賞。

監督が脚本も兼任した本作は、『エキストラ』が主役のお話。
どんなにボコボコにされても、こちら側が根負けするまで起き上がってくる主人公(決してボクシング映画ではない笑)。

吐かれる毒舌は主人公だけでなく、時には映画界全体を攻撃してくる。
新人監督の自主映画だから許される作品なのか。映画界への宣戦布告のようにも感じたし、監督自身刺さる映画だったのでは?
まずこの作品を撮ろうと思ったこと自体が、ちょっと面白く感じました。

役者達は"芝居が上手い"とは思わなかったけれど、どの役もハマっていて、"役作り"に感じなかった。
上手く芝居してるような喋り方ではない(寧ろ下手に感じる人もいた)のにそこにある説得力。そういうのはやはりキャスティングの力なのかな?
特に主人公はどうやってキャスティングしたのか、どう役作りしたのか、役者に合わせて脚本を変更したりしたのか等、制作過程が知りたくなった。

あと気になった点は、ところどころ画面が少しブレていたこと。(低予算だからかな?)
固定で撮ってるシーンもあったので、もし手ブレが演出だったなら効果的ではなかったと思う。

自主映画の予算だと、"B級っぽい"が許される脚本にする必要があるのかもしれない。
(エキストラが主人公→演技がB級は気にならないのだけれど
スマホで撮ってるようなシーン以外は、映像がB級だと違和感がある。)

例えば『カメ止め』のB級映画っぽい撮り方は予算カットという面でも良かったのかもしれないし、ちゃんと撮ってるシーンが"ちゃんとしてる"ように見えたのも、それのおかげだったのかもしれない。

予算は仕方ない事なので、巧く魅せる方法を脚本段階から考える必要があるのかなと思った。


物語全体について
映画館なら共感して泣けたのかもしれないと思う反面、地上波のCMを挟みながらだからこそ痛々しさに耐えられたのかも…とも思った。
もう少し主人公の愛すべき感じが欲しい。ちょっと苦手なキャラクター像だったので。

終わり方ももう少し違う方が好み。
惜しいのだけど…主人公の内面的な成長がもっと見たかったということかな?んー上手く言えませんがとても良かった!!と絶賛したくなる結末ではなかった。


まとめると
『良い映画』ではあったと思います。
でも予算があればもっと良くなった気がするし、これが商業映画だったらもっと私好みの起承転結になっていたような気もする。(単に私が分かりやすいエンタメを欲してるのかもしれないとも思えてきた。。笑)

とりあえず監督の次回作はチェックしてみようかなと思います!
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