こんなにも視線の芸術を感じた作品は久しぶり
男と女の間で交わされる視線は勿論、密やかな愛と殺人、によって他者の視線が2人を囲む檻に変わっていく過程がサスペンスフルな音楽と相まって緊張感を増していく
噛み合わない視線
Ossesione、というタイトルは、小説の原題よりもずっとしっくりくる
男は自由な生活に、女は貧乏ではない暮らしに、繋がれていたが、互いの恋愛感情を経て、いまとは違う暮らしに魅せられていく
そこには家があり、家族がある
そこに人々からの視線が絡まり合った妄執が2人の精神を擦り減らす
