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ワンダーウォール 劇場版のdarumaのレビュー・感想・評価

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)
4.5
札幌の映画祭で再鑑賞。やっぱり好き…!
岡山天音くんが出演しているのを再びスクリーンで観たかったのと、劇伴の岩崎太整さんがトークショーをされるので観に行きました。

この作品にはけっこう思い入れがあって、公開当時から気に入っているのですが、やっぱりスクリーンで観るのは格別。画面が大きいということもありますが、黒(紺かな?闇)が結構生きている映像なので、広くて真っ暗な環境で観られるのが凄く良かったです。音がウリの映画祭でしたが、音に関してはちょっと…前に座りすぎたかな?(ボリュームにびっくりした、笑)

元は2018年に放送されたNHKのドラマに、2019年の追加撮影を加えた作品です。内容的にはほんと5分くらい(5分もないかな?元が短い作品なので)の追加なんですが、ここに凄く意味があります。
京大の吉田寮という実在の寮がモデルで、実話ベースなのですが、ちょうどその時期に裁判が始まったそうです。岩崎さんがトークショーで仰っていたのですが、だからこそ、映画にして残すべき、みたいな話になったそうで…そして今、2022年もまだ係争中だそうです。

昨今のNHKのドラマ→映画化の流れの一環なのかな、と思っていましたが(実際はそれもあるかもしれませんが)、岩崎さんのお話を聴いて一番印象に残った事。

「ドラマはなかなか観返されることが無いですが(消費というか…淘汰されて行ってしまうような。これは私が思っただけで実際言われていたかはうろ覚えですが)、映画はこうやって時間をおいて、また観返されることがある。それがいい」

物凄く共感しました。
と同時に、だからこそ、このテーマのこの作品を、映画化したのかな…?とも思いました。映画に相応しい内容というか、凄く合っている。

ふと、以前、天音くんが何かの作品のメイキングで
「残る仕事がしたい」
みたいなことを言っていたことがあるのですが、まさに!それにも通ずるなぁ…なんて思いながら聴いてました。
(天音くんフリークですみません、笑)

って言いながら、実はこの作品、映画になる前にドラマで観ていて(!当時はまだ天音くんのファンじゃなかった。で、胸じゃないよね(笑)って感想で録画も消しちゃった、笑)、映画化が決まった時には「おお…ドラマが映画になったりするのね(当時はまだNHKにその流れはなかったような。走りといえばそうだったのかも。ただ、上述のように、その流れとはちょっと違う流れの作り方のような気はしますが)」と思いました。

故に、一度観ているのでそんなに期待は無かったんですが(でもファンになったので「スクリーンで観られる!」というのはありました)、ほんと!追撮部分がめっちゃいいです。音楽好き&役者好きにはたまらない。(もともと音楽好きです)

岩崎太整さんの劇伴も最高です!
(これはトークを聴いたからではなく、元々好きだった)
サントラを持っているのですが、このアルバムをずっと流しているだけで、ドラマが鮮明に蘇ります…最初とドラマ本編の最後の曲がとってもいいです。呼応しているというか。キューピーと三船の曲、って感じです。

天音くんファンですけど、この作品は三船役の中崎敏くんがめっちゃいいです!カッコイイ。
彼はこの作品の後、結構いい作品に出ているような気がします。ここで認知されたのかな?と思った…「花束みたいな恋をした」「やがて海へと届く」に出ています。やがて~はつい先日観ましたが、かなりいい役です。

勿論天音くんもいいです^^
絞り出すような感じが最高です…
(でも最初の印象は、繰り返しになりますが「胸じゃないよね」だったけど、笑)

この問題は、いつになったら終わるのだろう…
終わらせないことが、正解なのかもしれない。

私には思い入れのある建物とか場所はありません。
そして基本、振り返らないタイプです。
でもこれは、そういうことじゃないんだな、と。

初見は政治の圧倒感がものすごく強かったんですが(そしてそういうのが好きなんですが。あと諦観)、久しぶりに観て、なんだか違う印象を受けました。
まさに、恋、なんだな、と…

言葉にできない何か。

そういうのが、好きです。
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