たーぼーん

ワンダーウォール 劇場版のたーぼーんのレビュー・感想・評価

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)
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学生寮が大学側の所有する資産である以上、基本的に学生達の立場の方が弱い上での闘いなのは確かだ。しかもこの問題で学生達が闘う真の相手は大学ではなくて「時代」なのかもしれない。
立場が強く選択権があるかも知れない以上出た結論について責任を負うのは大学側だ。教育者として社会が甘いものではない事を知らしめるのか又は学校生活や寮生活においても社会生活が存在する事を認め見守るのかは大きな違いだし、寮又はその土地の活用に関する選択肢は少なくとも5、6通り位はあるだろう。
脚本渡辺あやが成海璃子の役を使って、学生達に立ち止まって考えさせ、あの学生寮の様な恵まれすぎた風変わりな空間が、実はこの世の中の至るところにさりげなく配置されているものだという事を我々に確認させていて、本当にうまく作られた話だなぁと思った。
僕は個人的には、あの学生寮の様な経済合理性の面ではあり得なくても、心を通わせる憩の場みたいなところは、これから有名になったり金持ちになったり美人と結婚するかもしれない大学生にはあまり必要なくて、僕らの様ないくらか希望を諦め始めている者にこそ必要なんじゃないかなと思った。例えばミニシアターとか、、、