9.11以降にブッシュ政権下で行われたCIAによる拷問を、オバマ政権下で調査する過程を描いた作品。日本での劇場公開はなく、Amazon プライム・ビデオのみで配信。
事件については、色々な意見や見方があって然りですが、それを含め、観るべき作品だと思う。ドラマとしての完成度も高い。
私が静かに驚き、感動したのは、終盤、主役のジョーンズと、ニューヨーク・タイムズの記者が、車の中で事件のリークを巡って会話するシーン。普通なら、あの場面は、もっとジョーンズに小難しい事を語らせたり、感情的なセリフを吐かせて、派手な見せ場にしたくなると思う。ところが、理性的且つ、誰にとっても分かりやすくて簡単な言葉を選び、地道な一つの通過点として、抑制を効かせた。これって実は難しいと思う。こんな地味に光る演出は、なかなかできないと思う。
そして確かにこの人物ならそうするだろう、と自然体で感じさせるアダム・ドライバーが、この役にぴったりだった。アダム・ドライバー が良い。アネット・ベニングの貫禄もさすがだった。
