茸のうち

ザ・レポートの茸のうちのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・レポート(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

調査がかなり淡々と進んでいくので、人は選びそうだけど個人的にはかなり好きでした。『Zodiac』とか『MindHunter』好きな人はハマれる気がする。
CIAが法を犯して国防に努めているのはもはや周知の事で、ある種ポップカルチャーのネタにもなっているけど拷問に関してここまで非効率かつ無意味だとは知らなかった。
実績もない専門家でもない心理学者の意見をなんとなく採用して、拷問によって得られた有意な情報はゼロ。それどころか無関係なアラブ人まで巻き込んで、反米感情を煽っただけ。一定の成果があるという大義名分があればこそ許されたけど、結局ビンラディン暗殺も拷問以外で得られた情報から行なったという滑稽な事実。
ビンラディン暗殺作戦を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』は好きだったんだけど、結局それも表面的にしか描けてなかったことよね。いずれポップカルチャーにおいてもCIAの拷問の扱いが変わるのかも。

そしてまたしてもアメリカの暗黒史に関わるディック・チェイニー。まぁこういう人物を映画というメディアで告発できるだけ日本よりはいいのかもしれないけど、チェイニーの”VICE”っぷりは改めて凄まじい。

とにかく5年の調査を経て、プライベートも何もかも捨ててほぼほぼ単独でレポートを作り上げたジョーンズの熱意に脱帽。レポートを公表できる国でありたいとしたファインスタイン議員もかっこよかった。
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