熊犬

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷の熊犬のレビュー・感想・評価

3.1
【実際この状況だと僕も半笑いでスルーしちゃうかも…】

原題:Haunt

暴力的な彼氏に悩まされる大学生のハーパーは、ルームメイトに誘われ気晴らしで行ったハロウィンパーティーで別のグループと仲良くなる。盛り上がった六人は、街はずれにオープンした「究極のお化け屋敷」に行く流れに。携帯を預かられ契約書にサインするなど過剰な演出で怪しさ満点な中、ふざけ半分で進んでいく六人…しかしそこは、ピエロの仮面を被った凶悪なサイコ殺人鬼が作った"究極の恐怖屋敷"であった…
…な映画。

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引き続き、リハビリがてら何も考えない感じの映画を…と思いピック。
個人的に好きな『若者グループが自業自得で何かに巻き込まれ、一人また一人減っていく』系を観たい…と思って選んだら、自業自得とかではなく純粋なサイコ集団による理不尽猟奇殺人スラッシャーホラーだった。まあいいけど。

B級…には違いないのかもしれないけど、結構よかった。特に序盤の「え、これ演出…?だよね?」って感じがとても良い。
なんか詐欺とかで"劇場型詐欺"っていうのがあると思うんだけど、ようは「いくら何でも、ここまで大げさな事をやるはずがない…」という心理をついて、超大がかりな仕掛けで詐欺に引っ掛けるみたいな。
それを逆手に取ったお化け屋敷って事よね。「究極のお化け屋敷」を謳い大々的に宣伝する ⇒ 究極って言ってるし、もしかしてここまで無茶な演出も…あるかも?
みたいな。結構うまい設定だなと思う。
そうやって半信半疑のまま進んでいくストーリーは結構好きだった。願わくば、その状態をもっと極限まで続けて欲しかったな…どこまで無茶をやっても、あるいはやらせても、ギリギリで半信半疑にとどまって気づかない…みたいな。何となくそういう映画を想像して観てたから、思いのほかあっさりとVS構造に切り替わったのはちょっとだけ残念だった。

殺人お化け屋敷という設定を活かして出てくるギミック的なトラップや、サイコチームの個性的な出で立ち。これを駆使して1.5時間を何かと飽きずに観せる作りはなかなか。B級と言い切ってしまうにはもったいないな~、と思っていたら、後で知ったけどイーライ・ロスが製作に入り、クワイエット・プレイスの脚本家コンビが脚本/監督しているとか。人も映画も見た目に寄らないね。邦題が実際以上にB級感出しちゃってるパターンか?

途中、サイコ軍団に一人だけ雑魚がいたの、めちゃくちゃ笑ってしまった。え、そのパターンでやられる事あるんだ!?みたいな。個人的MVPは彼。

■本日のビール『Ace Killer』
醸造所:U.B.P.(日本 / 埼玉)
浦和にある醸造所U.B.P.が1周年を記念して作った初めてのトリプルIPA。10%の度数を感じないトロピカルな味わい。重たいけど軽やかな飲み口で、ホラーをゆったりと観るイメージで。本作のエースキラーはもちろん主人公のハーパーで!
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