ピンピンピン

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画のピンピンピンのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

非常に良い作品でした
テンポよく話が進みインド映画らしく最初から最後まで全く飽きない
日本の小惑星探査機の初代はやぶさに関する映画で号泣する方に合うと思います

探査機打ち上げの日に忙しく家事をこなすタラ
彼女はインドの宇宙開発機構でのエンジニアで、毎日忙しく働いている
思春期の娘と息子、株式投資のチェックに余念のない夫、介護が必要な祖父と暮らしている
お手伝いさんが休みだったので家事に興味の無い夫はTVの受信料を払う事を約束させられる
タラは慌ただしく職場に向かった

ロケット打ち上げの指示をする部屋で職員達が担当する持ち場のチェックをし、次々にGOサインを出していく
総責任者のラケーシュは緊張感溢れる場で歌を歌いながら担当者のGOサインを受け、それぞれに指示を出していく
タラの持ち場であるエンジニアがロケットの高音異常を発見したが、タラはその異常をロケットが置いてある場所が高音だと判断し、ラケーシュにGOサインを出す
TV中継やロケット打ち上げを楽しみに待つインド国民が見守る中、打ち上げられたロケットは打ち上げ数十秒後に燃え上がり、自爆装置で海に沈められてしまった

異常を見過ごした事に責任を感じたタラはラケーシュに自分のせいだと伝えに行く
ラケーシュはタラを優しく慰め、集まった報道陣に自分の責任でロケット打ち上げは失敗したと伝えた

天文科学は莫大なお金が必要で、インドはアメリカやロシアと比較してまだまだ全然遅れている
ラケーシュはインドの花形の月の探査プロジェクトから外され、全世界がまだ成功していない火星探査機プロジェクトを任される事になる
それはつまり、事実上ラケーシュの宇宙への道を断つという左遷であった
ラケーシュの代わりにNASAで働いていたやり手のルパート(以下イヤミ爺)が取り仕切る事になる

ラケーシュの率いる火星探査機プロジェクトチームに当てられたのは古くてあまり環境の良くない物置の様な部屋
そこに来たラケーシュはここで頑張ろうかどうか、可愛い猫に独白してみる
ただの物置の様な部屋にいくつかのデスクがある部屋でタラにチャレンジしてみようと話し、ラケーシュは火星探査機プロジェクトを意識し始める

予算は無いしインドはNASAの様な潤沢な設備も無く…しかしタラは家で料理をしていた時にこの方法なら可能かもしれない!とラケーシュに案を伝え、ラケーシュと共に花形のプロジェクトの会議に乗り込み予算Get&こんな人材が欲しいと直談判
イヤミ爺は火星プロジェクトなんて…と反発をし続けるが、総裁の判断でプロジェクトが始動する

2人の元に集まったのは殆どが若手の女性陣
そして男性陣は女性と交際経験の無い、つまり童貞の占い好きのPとお爺ちゃん

これじゃあどう考えても上手く行くわけがないよ…だってみんなやる気が無いんだもの…という事に対し、ラケーシュはタラに「仕事になってしまっている。夢を皆で見られる様に意識改善が必要だ」とアドバイスする
タラはまたまた良い方法を思いつき、ある日研究室で誕生日パーティーを行う
「あなたが科学者になったきっかけは何だった?私はスターウォーズを見てから」とタラの告白に、それぞれ自分が科学者になった理由を思い出す
そしてタラは「夢を見ても科学者になれる人は少ない。私たちはラッキーだ。そして私たちに憧れる人を増やさなきゃ!」とさり気なく皆の気持ちを高める
定年退職間際でやる気のなかったお爺ちゃんエンジニアはお弁当を2つ作ってもらって頑張るぞ!と宣言

プライベートで問題を抱えていた女性エンジニアは門限があったけれど、お爺ちゃんの家に住む事となり、他のメンバーも結束が高まっていく

途中は割愛しますが同僚同士の心の交流も描かれていて楽しい

そして打ち上げ当日
残念ながら雨が続き予備日最終日に奇跡的に晴れ間が見え、打ち上げ!
スイングバイでうまくいかなかった日も含めて上手くいき、火星の陰に隠れて24分通信が途絶えた後に会えるのかどうか…

諦めかけた時に通信復帰!!

フィクションとはいえ、本当に本当に素晴らしい映画でした。