Tラモーン

インビジブル・スパイのTラモーンのレビュー・感想・評価

インビジブル・スパイ(2019年製作の映画)
3.8
無性に香港ノワールが観たくなりU-NEXTの洋画→アジアで探してって気になったやつを鑑賞。


2019年香港。繁華街で突然車が暴走運転し大勢の死傷者が出る事故が発生。運転していた会社社長はそのまま社内で自殺した。似たような事件が続く中、事件を予見していたフリーの女性記者イウ(ジアン・ペイヤオ)は何者かに命を狙われる。間一髪のところで香港警察情報課のチェン刑事(ニック・チョン)とイップ警視(フランシス・ン)に命を救われる。イウは、孤児を誘拐しスパイに育て上げ世界中の警察組織に潜入させているテロ組織の情報を掴んでいたのだった。チェンとイップが捜査に乗り出すが、保安部のジェン警視(ルイス・クー)に捜査権を奪われる。ジェンは潜入者としてチェンを疑っていた。


これはなかなか面白い!
潜入者の哀愁と葛藤というテーマでは『インファナル・アフェア』の系譜にある作品でしょう。そして『男たちの挽歌』に代表される香港ノワールらしい迫力ある銃撃戦やカーチェイス、火薬とアクションもかなり気合が入っている。

潜入スパイモノなのでネタバレ厳禁、是非前情報無しで観ていただきたいのでレビューは確信に触れません!笑

情報が断片的に開示されていく見せ方なので過度に置いてけぼりにならないし、わかりやすい伏線が張られているので(ルービックキューブとか)ある程度予測しながら観られる。それでも簡単に予想できてしまう内容ではないし、なるほど〜という爽快感は十分。

そして香港ノワールの得意とする男同士の友情!チェンとイップ、イップとジェン、そしてチェンとジェン。それぞれの因縁と関係性が序盤でキチンと描かれていて後々のシーンに深みを持たせているのが上手いなという印象。
特に中盤、深夜のフードコートの場面は三者の思惑と立場が交錯する名シーン。どことは言わないけど個人的には『インファナル・アフェア』のあのシーンを思い出した。

"極秘任務か?"

知ってたのか…涙。

お互いに裏をかき合うスペインでの攻防は半端ない緊張感!でも牛がなぁ…と思ってると終盤で牛がそんなことある??ってくらい大きな役を担ってくる。もしやそのためのスペインロケでは…?笑
闘牛とのカーチェイスは必見!

人生を懸けたイウの勇気。
30年越しの男たちの友情。
そして牛。

ツッコミどころはありながら、それを上回る熱量を持って力ずくでドラマを感じさせてしまうのはやはり香港映画だなぁという感じ。まんまと胸が熱くなりました。

"借りは今生では返し切れそうにない"
"来世で会おう"


イウ役のジアン・ペイヤオがめちゃくちゃ美人ですっごい好きになったんだけど、フィルマだと英語での登録しかないのね。
そんでジェン役のルイス・クーは完全に松平健でした。

これ一応シリーズモノの2作目なんだね。順番間違えちゃった。『ダブル・サスペクト』は追って観ます!
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