TaiRa

レディ・オア・ノットのTaiRaのレビュー・感想・評価

レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)
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サマラ・ウィーヴィングの絶叫クイーン(死語)っぷりが最高だった。

実家が大金持ちの恋人と結婚した花嫁が、結婚初夜に人間狩りの標的にされちゃう話。狩る側の金持ち家族も掟に従って儀式をやらなければならないので、半分くらいはあんま乗り気じゃない感じが面白い。彼らは悪魔みたいなやつに一族ごと呪われていて、富を得る代わりに儀式を完遂しなければならない。花嫁を守ろうとする夫や倫理的に悩む兄貴、イケイケのババア、ラリラリの姉貴、ヤケクソな父親にクソガキ共など、みんな人間臭くて良い。うっかり使用人がバタバタ死んじゃうブラックユーモアもウケる。中でも最高なのがやはり主人公。どんどんボロボロになって行くウェディングドレス、次から次へと痛そうな怪我をしては真っ赤に染まって行くウェディングドレス、この衣装の変遷がとても良い。コンバースのスニーカーに履き替えるとこから一貫して衣装が見所。主人公への追い込みっぷりも激しく、不憫さで笑わせる展開。サマラ・ウィーヴィングの痛がり芝居、悲惨過ぎて悪態つく芝居、どれも似合ってて好き。逃げても捕まり目が覚めると絶体絶命!という『悪魔のいけにえ』の流れを踏襲し、最後は『ローズマリーの赤ちゃん』をギャグ化した展開に持って行くのが爆笑。あのラストに向けての主人公の脱力した笑いっぷりが堪らない。しかも『ヘザース』オマージュ。とどのつまり、結婚した後カミさんより親兄弟を優先する様な男は捨ててヨシ!という訓話。
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