サイコーに楽しかった。
恋愛を重ねても、いくつになっても、女性に幻想を抱き続ける精神的チェリーボーイが膨らませた妄想をフィルムに落とすと、今泉監督のこの作品や庵野監督のエヴァになるのではないか。
だから主人公の青やシンジ君の周りに登場する女性はすべて天使なのだと思う。
穂志もえかも中田青渚も古川琴音も萩原みのりもメンソールのコもみんな素敵で、それを喜ぶわたしもきっと永遠に精神的チェリーボーイなのか。そりゃホラーだな。
上映が始まってまもなく、珉亭ののれんをくぐるころには、この作品相性がよさそうだと感じた。
最初から最後まで、お宝がいっぱい散りばめられていて愛でてしまう。
観終えてから、友だちと街の中華やでいろいろなシーンを語り合いたくなる。
シーンが変わるたびに、いちいちクセの強いキャラが登場してきてほころんだ。
たばこ2本もらえるか頼むシーンが好きだ。
圧巻は、青と城定イハの超ロングショット会話シーン。
どこまで台本でどこからアドリブなのか判らないけど、新鮮でドキドキした。
NHKの「ここは今から倫理です」にも出ていたイハ役の中田青渚の魅力炸裂、この作品の中ででいちばん輝いてみえた。
随所にクスクスがあったけれど、路上での集合シーンでは、場内がドッと沸いた。
チョコの件の笑顔もとてもよかった。
また観たい。
パンフレットも秀逸なので、この作品が好きになったらぜひ。
脚本の大橋裕之って、あの「音楽」を描いたひとなんだな。
ユルユルでヌクヌクでホクホクな日常感にいま浸りたいひとには、とてもとてもおススメ。