しゅんかみ

街の上でのしゅんかみのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
5.0
1人で映画を観た後はたいていイヤホンして音楽を聴いちゃうんだけど、たまにイヤホンせずに街の人の声を感じたり見たりして、他人の人生を想像したりしたくなることがある。この映画はまさにそういうやつ。

若葉竜也さん演じる主人公の青は、劇中でほぼ主人公らしい行動を取ることはない。人に誘われて映画に出ることになり、人に誘われて飲みに行くくらいのことしか起こらないし行動範囲も下北沢周辺だけだが、その行動や言動にそこはかとないおかしみがあり、クスッとしてしまう。
唯一冒頭で彼女にフラれるシーンでは抵抗を見せているけど、アッサリと一蹴されてるところもなんか笑ってしまった。

基本は会話劇だが、間をたっぷりとったほぼワンカットで描かれるので観ていて全く飽きない。一見意味のないような場面でも、他のどこかに共鳴していたり、キャラクターの奥行きが感じられるようになっていて気が抜けないので、体感の上映時間はあっという間だった。

メインキャラクターの女性4人もだし、友情出演の成田凌、謎のカップル、聖地巡礼中の女性まで、下北沢にいそう〜〜〜〜〜〜!!となるキャスティングも素晴らしかった。

ラストカットも超好き。