事件は何も起こらないが、めちゃくちゃ気持ちいい映画。
冒頭からこの映画の空気感、セリフのニュアンス、演技の間合い、画面構成、編集、あまりに気持ち良くて、ひとりニヤニヤしながら最後まで観ていた。セリフが本当にいい。特別なセリフではなく、何気ない当たり前の言葉の選択と積み重ね、発する間合いで観ている観客、自分のような奴をどんどん引き込んでいく…本当に巧い。
「センシティブ」で動物柄のシャツのアップをサラ〜っと持ってくる感じ、「下北沢に住んでるんですか?」「いや、住んではいないです」のくだり、警官の下り、ヴェンダース、俳優待機部屋、など全てのシーンのセリフとセリフが無い『間』だけの時間が気持ち良すぎる（笑）今泉力哉監督の作品は初めて観たが、めちゃくちゃ才能あるな。
まあ、こんな感じでワンシークエンスを作っている映画はよくあるが、一本の映画に出来ている映画って観たことない。ちょっと今泉監督の他の作品も観ようと思う。出てくる女優も全員雰囲気あって素敵なのにも驚く。主演の若葉竜也もめちゃくちゃ良かった。
