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街の上でのwksgknchのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
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緊急事態宣言下ですが、気をつけて観てきました。

舞台が下北沢というだけでもう最高な本作でした。

監督・脚本は今泉力哉さん、『愛がなんだ』『あの頃。』気になっていたが未見のまま。
今泉力哉監督の他作を観ようと思います。

下北沢は、駅前など、数年前からの大規模開発が完成?しつつあり、昔の下北沢からシン・シモキタザワ(今風)と変わり始めているが、これまでの雰囲気も残り良いバランスになるか、少なくとも新しい人達の流れが生まれているし、アンダーグラウンドから浮上し始めている。これは下北沢だけの話しではないけど、中目黒とかも同様、割愛。

20年前でも成立しそうな物語、それは未だになんとかアンダーグラウンドな風情を残している街の、そこに住む人達で紡がれる物語だからだろう。
タイトルままだけど、街の上で起こっている日常とちょっとした刺激、誰にでもありそうな事、さらに映画としてちゃんと伏線と回収が成され、点が線になっていくたときの気持ちよさがあった。基本喜劇なので、大小の笑いが散りばめられ、その安心感も良い点だと思った。

主人公は青(若葉竜也)、古着屋で働く青年、朴訥とした佇まいで能動的というより受動的な人物。
青を中心にして物語の中で出会う女性たちが特徴的で印象が強い、元彼女の雪(穂志もえか)、古本屋で働く田辺(古川琴音)、美大生の映画監督の町子(萩原みのり)、町子の映画撮影の現場衣装スタッフのイハ(中田青渚)、この4人がメインどころ。

青が町子にスカウトされ映画に出演した流れからイハと気が合い、流れの中でイハの家に向かい、そこで繰り広げられる会話が本当に他愛のない話しで、これは一体何を見せられているのか、と疑念が頭をよぎるが、それら含め、ちゃんと意味があるんだろうなと、

女性4人が全員が一同に会すことがないということ、町子とイハが別に仲良いわけでもない、あくまで他人として出会っている、その設定もすごく良いと思った、あくまで青を通しての関係がつくられていて、青にとっては個々人で、1人と会ってるときには他の3人は街の中で別の行動をしていて、またどこかで青と出会う、当たり前だけど、1つの時間を共有して生きている、ということ。本作がたった数日の話しだということや、同じ場所が別の設定として使われることにも通じてくる。

本作は青を中心とした物語だったが、雪でも田辺でも町子でもイハでも、BARの店長でも警察官でも良かった、皆街の上で暮らし、楽しいこともあれば怒ることも、泣くことだってある、そういう映画でした。

青が歌う歌、良かったな。。。
青、という名前、良いよな。

警察官、最高だったな。
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