あーさん

街の上でのあーさんのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
-
"愛がなんだ" が思いのほか良くて、こちらもFilmarksでの評判がすこぶる◎
この作品のどこが、皆を惹きつけるのだろう?
そんな好奇心から、映画館が久しぶりに再開した日に、勢い勇んで足を運んだ。

ほー!!
やっぱり噂に違わず、面白い ♪

大きな感動が得られる訳ではないのだけれど、観た後じわじわーっと確実に心が満たされる、そんな作品。。

今泉監督は、ほぼカメラの視点を変えないように、敢えて上下とかいろんな角度から撮らないようにしているのだという。なるほど。
鑑賞者と同じ目線を意識している為、観る者はスクリーンの中の様子をまるで近くで見ているかのような錯覚に陥る。。
(今泉監督作初心者なので、観賞後ちょいちょい記事を読み漁ってみた)
今作に関するインタビューを読むと、キャストの演技力を信頼して泳がせてくれる人なんだな、と。なので、キャスト同士の化学反応なんていうのも、行き当たりばったりというか、やりながら作っていく…みたいな感じなのだそう。ガチガチの演出はしないってことか。

そこに来て、主人公・荒川青役の若葉竜也という人。
主演は初めてなのかな?
ひとつ前の朝ドラ(成田凌と共演しているという嬉しい誤算⁈)や最近の色んな作品で目にするようになった印象だけれど、調べてみると、実は映画やドラマ、舞台のいろんな方面で結構な作品数出ている。
"野ブタ。をプロデュース"とか"ごくせん"シリーズとか"GANTZ"とかドラマ版の"セトウツミ"にも出てた⁈
映画の"葛城事件"(未見)の次男役では、賞をもらっているのか。。
実家が大衆演劇をやっていて幼い頃から舞台に上がっている上に、かなりの場数を踏んでいるという経緯。
5人兄弟(妹)の真ん中っ子。
本当は俳優の道に進みたくなかった⁈
どこまでも普通っぽいのに、何故か存在感のある佇まいはそういうことなのか。。役によって印象がガラッと変わる。
31歳。彼の異色な経歴は、唯一無二の武器になっていくと思う!
これからますます、目が離せない俳優さんだなぁ。

そして、青を取り巻く4人のヒロイン達。

穂志もえか(雪)
古川琴音(冬子)
萩原みのり(町子)
中田青渚(イハ)

みんな可愛い!
でもって、自己主張が強い!笑
下北沢界隈の女の子らしい、というのかな。。
自分の生き方がブレない感じが、とても魅力的!誰も変な我慢をしていないのが、いいね ♪
しっかりと根を張って自分らしく生きてる感じがして、観ていて気持ち良かった。
だから、あの町子の青くんへの態度もアリだし、青くんを庇う冬子も素敵だったし、青くんに本音をきっぱり言う雪もいいなって思ったし、イハもなんか関西風味で独特の感じが面白かったし♪
昔の自分の友達にいそうなタイプだけど、誰だったかな。。
(監督役の萩原みのりちゃんは昨日、映画監督と結婚してましたね♪)
4人共、主役張れそうなこれからの女優さん、、監督の好みだそう!笑
何で青ばかりがモテるの⁈ だけど、きっとこういう人ってなんとなく側に居てほしいというか、主張し過ぎない優しいところが良いんやろな〜と思う。
言葉の選び方もナイスチョイスが多い♪(この世にいらない知識なんて何ひとつないよーとか言うタイミングね!)

睡蓮のマスターとか常連客とか、どうやって生きてるんだろう、と思う人達とか、出会う人ごとに同じ事を話し続ける警察官とか、古着屋のカップルとか、朝ドラ俳優とか、どこかで誰かと誰かが繋がって、、そうなるんかい⁈ な面白さ。

ヴィム・ヴェンダースとかマヒトゥーザピーポー(弾き語りが素敵♪と思ったら、とんでもないミュージシャンだった!)とか、急にそういうとこぶっ込んでくるあたり笑   
いやいや。下北沢っぽいし、監督のセンス!

日常を切り取ったジム・ジャームッシュの"パターソン"にも似た雰囲気もあり。

自主映画のノリ。
さり気なく壁に貼ってある"嵐電"のポスター。


何とも、好きな感じ ♪


惹きつけられる理由が、たくさんわかった。

私、若者の話が苦手なんじゃなくて、描き方によるんだ。

今泉監督の作品に出てくる若者は、今の所、好きかも。

これからも、少しずつ観ていきたいな〜

劇場に何となくクスクス笑いが漏れ始めて、だんだん笑っていいんだ!ってなってからは、すごく笑いが起きてた。私も声出して笑った!!

そういう映画って、良い映画って言うんだよね ♪




ここからは、お時間ある方だけ。。

**

下北沢ってこだわりのある若者の街とか演劇、音楽、文化の街ってイメージだけど、悲しいかな、実は関東に住んでから一度も行った事はない(もう独身じゃなかったからね…)。
一度だけ、私が関西在住で大学生の頃、仲の良い3人組で東京ツアーと称して、東京ディズニーランド、横浜中華街、落合恵子さんの青山のクレヨンハウス等関東圏の行きたい所に行く旅行を計画した時に、何故か下北沢で晩御飯を食べるというプランを入れた。…というのも、位置関係がよくわかってなくて、友達のお姉さんに東京の美味しい店を聞いたら、その下北沢の店を教えてくれたからという理由で、今から思えば無謀だったなぁ。。笑
定休日をチェックしていなかった私達は、結局クレヨンハウスも定休日、横浜中華街も定休日の店が多くて、、仕方なく空いている店に入ったら、若かりし頃の石原良純が2人の美女を侍らせている場面に遭遇!よりにもよって良純かい…と思ったのだけれど笑、今こんなにおじさんになってブレイクするとは、あの頃の私達には想像もできなかったなぁ。。
で、別日に食べに行った下北沢のフランス居酒屋さんは、狭くてお客さんがひしめき合ってたけれど、それはそれは安くて美味しくて、友達のお姉さん、ありがとうー❗️と言いたくなる隠れ家的名店だった ♪
ああいう店に通い詰めてたら、知らない人とも友達になれそう!と思った。
二十数年経って、こっちに来てからその店を調べたら、なんとまだあったので、いつか行こう!と思いながら更に月日が経ってしまって、、コロナ前の一昨年くらいにいざ!と思ったら、もう閉店していてがっかりした。。
やっぱり、思い立った時に行動しないとダメだな〜とつくづく思った。

本当に美味しかった、、
エスカルゴとかも食べて、どれもみんな安くてサイコーだったんだけど、実は私達3人が一番美味しかったと全員一致したのは、なんとバター!!
"こんなに美味しいバターは、初めてやね!"と言いながら、しこたまパンと共に食べた。。
そんな遠い日のことを、ちょっと思い出した。

私の唯一の下北沢の思い出♪
あーさん

あーさん