カイ

街の上でのカイのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.6
『愛がなんだ』の今泉力哉監督の最新作。
主人公の青の日常を描いた作品。

この作品はいい意味で映画らしくなく、自分達がこんな事もあったなぁと感じさせるようなリアリティをあのアドリブ感が演出させてくれている。

キャストは全員あの世界の中に生きているように感じさせる素晴らしい演技だったが、特に主人公の青役を演じた若葉竜也と中盤で出会うイハ役の中田青渚が最高の演技をしていたと思う。
若葉竜也は主演であるにも関わらず、全てのキャラクターの中で1番パッとしない個性の強い周りを引き立てる役に徹しているところがこの映画の良さを高めていた。
中田青渚はとても自然であり、かつこんな女の子がいたら絶対に惚れちゃうよなという魅力を持ち合わせていた。
この2人が会話する中盤の家でのシーンは永遠に見てられるような自然な場面で自分がその場の第三者として聞いているような感覚に陥って、終始ニヤついてしまうほどだった。

この映画を作中にも出てきている下北沢テリウッドで鑑賞出来たことによって、作中の世界観と他の映画館で観る以上に入り込む事が出来たのでとても幸せな時間を過ごすことができた。

この映画は誰が観たとしてもほっこりと出来る安心感のある映画で、自分の住んでいる街にも愛情を感じる事のできる、そんな映画になっているので是非色んな人に知って、観て欲しい一作。
カイ

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