Mizuki

街の上でのMizukiのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
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この映画『街の上で』の中に出てくる卒業制作映画の内容はただ人が本を読んでいるだけの取るにたらないものだった(実際にはどうかはわからない)けど、『街の上で』の中の人たちの人生には本当にいろんなことが起きていて、卒業制作映画なんかよりもよっぽど面白くて、この映画のテーマはそういうことなのかな?と思った。

本や映画になるようなものでなくても、人の人生にはいろんなことが起こるし、たとえ起こらなくても、何の形に残らなくても、どんな人生でもその人だけのかけがえのないものであるし、人生のその一瞬一瞬こそが尊いものであるということがテーマなのかな?と思った。

ワンカット長回しのシーンがほとんどで、しかもセリフとか会話がめちゃくちゃリアルで、本当の雑談みたいで没入感というか、その人たちの人生が確かに今そこにある感がすごかった。そんな中でも雪と間宮のシーンのカットがかなり細かく割られてて、非日常感というか非現実感が際立ってたような気がしました。

イハの家に青が行って2人で話してるシーンの、“今この瞬間に彼らの人生が確かにそこにあるという”リアル感がすごかった。

雪が金髪男から奪い去った自転車に乗れなかったシーンめちゃくちゃ笑ったし、その直前の誤解とかその場しのぎの嘘とかが絡まりあいすぎた鉢合わせのシーンがめちゃくちゃ好きでした。
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