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街の上でのshuのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.2
街の上で

登場人物にとにかく面倒くさいやつしかいない。
でもその面倒くささがやけにリアルで、ああ、こういう若者ってたくさん、それこそ下北沢には掃いて捨てるほどいるんだろうな、と思わせる不思議な説得力がある。
あと作中で繰り返し描かれる「気まずさ」は、ジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」なんかを彷彿とさせる。むずむずして逃げ出したくなるような、共感性羞恥を逆撫でするような気まずさ。
主人公はひたすら巻き込まれるような形でいくつかの出会いや経験を得る。完全に受け身だ。
しかしそうして得た些細な繋がりや人間関係が終盤に交差する。
この辺りはフィクションとしてのというか、群像劇としての良い意味での「ご都合主義」感を楽しむことができる。
主人公に対してはおいおいそれでいいのかよと思わなくもないが、最終的な後味は悪くない。
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