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街の上でのTSのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.6
【何とも言えない世界観】76点
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監督:今泉力哉
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:130分
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 かなり評価の高い今作ですが、個人的にはまずまずといったところ。今泉力哉監督の作品はあまり見れていませんが、なんだか緩い展開が売りなのではと思いました。『窓辺にて』と似ている雰囲気があり、若者をはじめとした一人一人の何気ない行動、考え方をじっくり映すのに長けている監督なのではと感じました。今作の主人公荒川は、彼女と別れたばかりでなんとなくもやもやした毎日を過ごしている。言ってしまえばただそれだけの映画なのですが、妙に会話シーンなどは釘付けになってしまいます。なかなか言葉で表すのが難しい、不思議な作品といえそうです。

 古着屋やミニシアター、古本屋がよく出てくるのでサブカルチャーに焦点をあてている作品ということがわかります。共通点としてはどこも静かな空間であり、コアなファンがそこに集います。ひょんなことから大学生の卒業映画に出演することになった荒川なのですが、あまりにも緊張しすぎて結果的にそのシーンがボツになってしまうというところも何とも言えない感じです。そんな中、前の彼女がよりを戻したいといってくるのですが、終盤のいろんな立場からの口撃?は見応えがあり面白かったです。

 ちょっと語彙力が酷くて申し訳ないのですが、傑作とまで言えないけど悪い作品でもない。なんとなく生きていく若者の人生に、かすかな希望の光が見える。人生こんなもんだけど、なんとかなっていくよ、というメッセージがあるように自分は思えました。ああいう行きつけのバーでグダグダしてみたいですね笑
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