うにたべたい

ガンヘッドのうにたべたいのレビュー・感想・評価

ガンヘッド(1989年製作の映画)
3.4
ロボットものが得意なサンライズと、特撮映画の経験豊富な東宝映画が手を組んで作ったロボットSF特撮映画。
「史上初の実写巨大ロボットムービー」という宣伝文句の元、海外からも多く俳優を雇用し、かなり力を入れて作られました。
鳴り物入りで公開されたのですが、興行収入は奮わず、『キネマ旬報』の評価では"惨敗"という残念な結果となった作品です。

産業用ロボットが発達した近未来。
ロボット生産拠点となっていた工場の巨大コンピューター「カイロン5」が、ある日、人間に宣戦布告をする。
戦闘は熾烈なものとなり、人類は戦闘用ロボット「ガンヘッド」を投入しますが、カイロン5の守護ロボット「エアロボット」により全滅、その後、巨大工場は政府によって封鎖されます。
その事件から13年の月日が経過した後、本作のストーリーは開始となります。

主人公は髙嶋政宏演じる「ブルックリン」というトレジャーハンターの青年です。
彼が所属する組織「Bバンガー」は、カイロン5のパーツを金品に変えるために、その工場に潜入しますが、そこには生体ロボット「バイオロイド」が稼働し続けていて、Bバンガーの面々は1人、また1人と殺されていきます。
最後に残ったブルックリンと、カイロン5の企みを調査するため潜入していた女性捜査員「ニム」は、カイロン5の恐ろしい企みを知り、カイロン5に戦いを挑む、という展開です。

近未来というには鉄と油の匂い漂う退廃した世界観です。
登場するロボットにもスタイリッシュさは無く、むき出しのメカニックが造形美を感じさせます。
スチームパンク的な雰囲気はかなりよく、後半にようやく登場する巨大なガンヘッドも非常にかっこいいです。
巨大なエアロボットとガンヘッドが、メカ同士の軋む轟音響かせながら衝突する合うシーンはなかなかにテンションがあがりました。
正直、この巨大メカ特撮が本作の大部分を占めていて、そこに瞳輝かせることができるかが本作を楽しめるか否かの分かれ目だと思います。

ロボのシーンを除外すると、低評価なのは正直仕方ないできだと思います。
方方で言われていますが、画面が暗くて何が起きているのかわかりにくい上に、ストーリーがそこそこ複雑なため、展開を追いかけるのは至難の業です。
ストーリーを追うのは途中で諦めて、巨大ロボットを相棒に巨大工場を駆け回る様を楽しむのが吉ですね。
ただ、ストーリーもまじめに追うとちゃんと作り込まれていて楽しめます。
個人的には、映画の楽しみ方としては間違ってる気がしますが、先に検索して、ストーリー展開をある程度頭に入れてから視聴を始める方法をおすすめします。

あと、当時はまだ若い俳優だった髙嶋政宏の演技が若干気になりました。
作品のSF的な雰囲気とガンヘッドのかっこよさは文句なしなのですが、色々惜しい作品です。