久しぶりの封切り初日鑑賞
構図のバッチリ決まった2ショット目の家畜小屋からリサンドロ・アロンソ『約束の地』、ブレッソン『湖のランスロ』、パゾリーニ『デカメロン』的な冷たい美学の寓話で仕上げるのかと思ったら、
緑の騎士との決闘はずいぶんもたついて、メロドラマ風のクロースアップが多い。
とくに画面後方のマジックアワー風の空といい、自然の風景がいつまでも透徹して美しいが、それに対してガウェインのお話はもたもたと人間臭いなあと思いつつ見ていたら、
首を切るところで「死ぬのが怖い怖い」からの⇨「どうせそのうち死ぬしな」へ
そのもたもたした俗世を断ち切る結末が用意されていた。
完全に神話の世界の話にしない、こういうところは律儀にアメリカ映画だなと思う。よかった。
いつものロウリーの「帰ってくる話」でした