率直に良い点と悪い点があると思いました。
良い点は、旅に出始めてからのショットのレベルはやはり高い(特にかつて首を切られた女性の池の畔でのシーンなど)
あと古城に入ってからのシネマトグラフで写真を撮られるところの一連の動き、光を当てて逆さにイメージが定着していくところで(かつさらっと)あれは良いね。素晴らしい。
ただし、今回はデジタルだと思うのだけどロウリーが35mmや16mmのブローアップで捉える「黒」ではなくデジタルの黒や色味がどこまでロウリーや撮影監督の仕事かカラリストだったのか分からないが、良い黒と悪い黒があったと思います。
悪い点は360度のパンやドローンや劇中の音声が邪魔をしているところかと
観終えたあとに言及にしがいのあるパンは、「ロウリー、それで良いの?」って感じ。
それは俺もやったぞと、あんたはもっと上を目指せと
パンのリズムも良くなく結果が透けてみえるから、最後のシーンは良いけど、森のシーンは微妙
あと主人公がなぜ、そこまで名誉に拘るのかが分からない。
宙づりでももちろん構わないが、それを説き伏せつつなおのこと、画面にも配慮できる人なので
最後に、元々愛する女の鈴みたいなのが、冒険の局地で、飢えを凌ぐためのキノコとのオーバーラップは爆笑ものだが
同時に何がしたいのとも思うけど、モノに対する執着はサイレント映画を絶対好きであるロウリーは固執するはずだと思ってたがあまり機能もせず