ゆかちん

グリーン・ナイトのゆかちんのレビュー・感想・評価

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)
2.9
W杯・日本vsクロアチア戦を夜中3時まで見て普通に仕事行った帰りに観たので、今のこのシーンは夢が幻かってのが、主人公と同じくらいボヤボヤしながら見た笑。
14世紀の詩『ガウェイン卿と緑の騎士』を原作にして作られたダークファンタジー作品。
でも、後で調べたら、話の筋は同じでも、原作とは結構違うぽい。
広大な大地(アイルランド?)や自然が美しくて、映画館で見ると圧倒される。
役者さんも好きな俳優さん多くて楽しめた。
バリー・コーガンがバリー・コーガンしてた笑。


アーサー王(ショーン・ハリス)の甥であるサー・ガウェイン(デヴ・パテル)は、正式な騎士になれぬまま怠惰な毎日を送っていた。
クリスマスの日、円卓の騎士が集う王の宴に異様な風貌をした緑の騎士が現れ、恐ろしい首切りゲームを持ちかける。挑発に乗ったガウェインは緑の騎士の首を斬り落とすが、騎士は転がった首を自身の手で拾い上げ、ガウェインに1年後の再会を言い渡して去っていく。
その1年後、ガウェインはその約束を果たすべく、未知なる世界へと旅に出るーーー。



ちゃんと映画の中でセリフとかで状況説明はしてくれるけど、睡眠不足で見ると少しわかりにくかった笑。
というのも、デヴ・パテルが演じてるせいか、ガウェインがそんなに悪いダメなやつに最初見えなかったというか笑。てか、むしろ王の甥てのにビックリな風貌で登場したし。
や、悪いやつではないんやけど、要は、騎士たる者の精神を鍛えず、怠惰に呑んで遊んで暮らし、娼婦の小屋に入り浸るということやったんか…て、後半でわかるという笑。
エセル、普通の恋人やと思ってたけど、娼婦からのてことやったんか、と。時代が時代なだけに、なのか。
エセル、アリシア・ヴィキャンデルが演じてるの、声で気づいた。髪型のせいか、別人に見えた。

で、グリーンナイトはガウェイン母が召喚したのを見て、え?て思ったけど、息子を躾けるためってことなのかな。根性叩き直すためにというか。
それにしては命懸けすぎでは。。

それで旅に出るわけですが。


ネタバレありつつ感想↓↓


色々と試されるガウェイン。
その試練を乗り越え、この旅で成長していき、グリーンナイトに会い、立派な騎士となる…というのが原作のよう。
でも、この作品は結構情けないまま進んでいく。
試された中で、ガウェインがとったのは、正解な行動をしたのもあったけど、どうなんかな間違いちゃうかなってのもあり。
それでもなんとか約束は守るとたどり着いたグリーンナイトのいる礼拝堂。
そこで首を差し出すも、ひるんで中々グリーンナイトの一発を受けられない。すると、怯えるガウェインは逃げ出した自分自身と、その後の運命を幻視する。
そして全てを悟ったガウェインは、「覚悟ができた」と言う。
その様子に満足し、慈愛に満ちた笑顔を浮かべたグリーンナイトの最後のセリフで幕を閉じる。

この最後のセリフ、なんて言ったのだろ。
字幕とは違う気がする。字幕では、「首と一緒に帰れ」みたいな言葉に見えたので、騎士として成長したガウェインは赦され、堂々と帰れたのかな、て思った。
で、エンドロール後の女の子が王冠被ってるのは、帰った後、ガウェインは娘をもうけることができたということで、ガウェインが無事帰還した証なのかなと。

でも、英語なんて言ったんだろ。
「首を斬ろう」て言ったのかな。
なんせめっちゃ一瞬すぎて。。
もしそうなら、ガウェインは死んだ、と。
じゃ、あの娘は?
旅立つ前にエセルは妊娠してたのかな?
てか、息子死んでもうたけど、母、どうなん?それでええの?と。息子を叩き直すというより、殺そうとしたてことになりかねんやんか、と。多分、叩き直したいだけやったと思うんやけど。。最後のキツネの声はオカンよね。あれはどっちなんだろ。まじで止めたのか、この制止を乗り越えるかを試したのか。

映画館で見た時は、英語と字幕とが微妙な違和感で、そして、あまりにも一瞬でプツッと短く切ったので、あえてその結末を明確にしないようにしたのかなと感じたんだけど。

うーむ。悲劇なのかハッピーエンドなのか。
騎士として死ぬことがハッピーエンドなのか。


まあ、テーマとしては、
自身の弱さを認めず逃げる者は、現実と結論の直視を先延ばしにしているだけ。
己の煩悩を捨て、現実を観て、勇気を持ち、死も恐れず立ち向かう覚悟こそ騎士である…てこと?

いやー、わかるけど、時には逃げる勇気も必要なのではないかしら、とも思ってしまう現代人な私でしたw
まあ、自分の弱さを認めるのは大事やし、現実を観て、その中で最大限自分ができる最良のことをするべきとは思うけど。


しかし、ファンタジー要素、白骨化する自分、聖ウィニフレッドやキツネ、城主ベルティラックと妻…までは、なんかわかるけど、あの巨人はビックリw驚かずに普通に肩に乗せてくれとか言うてるのマジかよww異様でした。幻覚キノコのせいなんやろけど。なんか、キリコとかそういう世界観もあったな。


役者陣がよかった!

デヴ・パテルなんか好き!なんか色気あってかっこよく見える。
でも、タレ目だからか、子犬感もあって可愛くも。なんか悪い人には見えないんだよな。
良作の良い役ばかりやってる印象。私がハッキリ見たのは、彼がデイヴィッド・コパフィールドを演じた邦題「ドン底作家の人生に幸あれ!」やけど。それも、周りの人に振り回される役だったな。。
でも、逃げ帰った後の幻視したところでは、王になるんだけど、その時の目のキリッと感が別人に見えた。悪いというか、強い役もできそうだね。

アリシア・ヴィキャンデル、また違う雰囲気の一人二役。エセルの時は一瞬誰かわからんかったけど、城主夫人のときはすぐわかった。ドレスがお似合い。顔立ちは可愛いけど、芯の強い印象があるから、両方ともそういうのに合ってた。美人だなぁ。

バリー・コーガンも出てた!
スカベンジャー(盗賊)で悪いというか、彼らなりにそうするしかなく、そう生きているだけなんだけど、悪いめの役。
あと、子どもぽい演技の役だった。
邪悪な方のバリー・コーガン。
なんか謎の雰囲気をまとってる役者だよなぁ。だから観てて惹かれる。

あと、MCUのファルコン&ウィンターソルジャーでカーリ・モーゲンソウ演じてたエリン・ケリーマンが出てきて、おお!てなった。聖ウィニフレッドの役。ミステリアスなの似合う。

M:I等のショーン・ハリスが出たのもテンション上がったな。声でわかる。
イギリスの時代ものに良く出てるのね。
重みを持たせていいな。


A24スタジオ、がんがん攻めてますなぁ
ゆかちん

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