14世紀の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」が原作のデビッド・ロウリー監督作品。
緑の騎士との"遊び事"による約束のための旅の中で、正式な騎士ではないガウェインが色々経験する事で成長し自らの物語が形成されていく物語。
と言ってもガウェインは主体性が感じられずひ弱さを感じさせるキャラクターで、経験により成長はしているのだろうけど明確なそれではなく、騎士的な勇敢さは全く感じられない。
でもそこがロウリー監督らしいアプローチで、繊細な人物描写でファンタジーにリアルな人物像を落とし込んでいる。
そしてラストはロウリー監督自身の作品「A GHOST STORY」を彷彿とさせる驚きの展開で魅せる。
ガウェインがこの旅で得たもの、それは弱さの自覚と諦観だったのではないだろうか…