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オン・ザ・ロックのkissenger800のレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)
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ビル・マーレイ接待映画。って謎カテゴリなことは見る前から察せられるわけで、でもこれもどうせそれだろ。って誰もが思った『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014)がカウンターに用意されたメリッサ・マッカーシーではなく、本来ちょい役のナオミ・ワッツが何のことわりもなくすべてを持っていく。というべらぼうな展開によって忘れがたい作品になった先例もあったわけで、何かしらの奇跡に期待する俺の下心もそんなに間違っちゃいないはずで。

結果、A24製作、ソフィア・コッポラ、ニューヨークおしゃんてぃ。
って道具立てからハミ出すことなく完結して、もちろんビル・マーレイは自由にハミ出るんですけど(LAタイムズ映画評が「ビル・マーレイのワンマン・フラッシュモブ」ってうまいこと言ってた)、途中のNYPDエピソードが典型で、痒いときに痒いところを掻かれてキモチイイ。ではなく、掻かれたからなんとなくそこ、もともと痒かったのかも? みたいな超絶微妙なさじかげん。

たしかにこの謎の味はほかの俳優では出せん。と思いながら見てるこっちは不機嫌にも上機嫌にもなりきれないっていう……。
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