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アフター・ヤンのolfのネタバレレビュー・内容・結末

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

それぞれルーツが過去にどのような社会や政治、文化を経てできたものなのか、他者や他国とどのように関係してきたのか、恥じるべき歴史もあるならそれも含めてしっかり学び正しく後世に伝えることが差別をなくすうえでものすごく重要(それが出来てないと無知によって無意識に差別する)だから、この映画がルーツを知って後世に伝えることをテーマのひとつとして描いているの良いな〜


長いレビューは苦手だけど、忘れないように以下自分用にメモ

⚫︎家族の多様さと自分のアイデンティティを構成するルーツを尊重し後世に引き継いでいく重要さをコゴダナ監督らしく言葉で語らず視覚で問いかける作品

⚫︎テクノが存在する近未来SFという設定は自分とは違うと勝手に思い込んでいる"者"と共存する世界を分かりやすく可視化するための手段でしかなく、描かれているのは自分と違う人種の人に偏見を抱いたり自分とは違う異質のものとし差別する今の世界と同じ

⚫︎ヤンが人間でいう何世代もの時間を過ごすことが可能なロボットである設定は、ヤンの記憶からルーツが色々な家族と多くの過程を経て全て繋がっていること(ヤンはいくつもの家族を渡り歩いていた)を示す助けになっている

⚫︎オープニングのクレジットバックに"同じ"ダンスをする多様な家族のカットが並行して映され、血が繋がってなかろうが人間でなかろうが皆同じく家族であることがオープニングの時点で明確に示される

⚫︎SF近未来である街中や車の外観は一切映らず、家の中や車の中といった家族のいる空間を映すことからもテーマのひとつが家族である

⚫︎家の中で両親とミカの間に柱がある構図になってるカットがあり、お互いがその柱の向こうに移動することでヤンへの想いやルーツの違いに対して理解し歩み寄っていることが表現されている

⚫︎ジェイクがヤンの記憶を通してヤンのルーツを知り初めてヤンが人と同じ時間と感情を共有した家族であったことに気づく=他者のルーツを知ることで自分と違うと勝手に偏見を抱いていたものが同じであると理解できる

⚫︎博物館のヤンが展示予定のエリアに接ぎ木に似たライトがたくさん並んでいて、怪我しているみたいと言われていた接続部分が明るく光っていることから、ヤンがいくつもの人間の家族らとテクノのルーツを持つものであり、展示によってそのルーツやアイデンティティが忘れ去られることなく後世に引き継がれていくことが分かる

⚫︎部屋の照明の使われ方が印象的だったんだけど、どのような意図でどう効果があるのかまで掴めなかったからいつかまた見る機会があったらそこに注目したい
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