このレビューはネタバレを含みます
突然、画面サイズが4:3に変り、カメラに向かう正面の映像のカットバックの対話が始まる。急なそれはかなり違和感があるものの、後からそれがテレビ電話の映像であるとわかる。テレビ電話ならば、確かに双方、カメラに向かって正面に向き合う。近未来の物語をうまく利用して、小津安二郎監督のオマージュとしても、とても上手にカットバックを使っていた。
また、AIロボッとの観た風景のデータという形で、いくつもの映像がランダムに流れる場面がある。物語に説明はなく、その断片だけが流れるものの、その映像が想像力を掻き立てる画で、何かを丁寧に説明されるよりも、そういった断片の映像の方が、自由度があるように感じる。
