なほ

アフター・ヤンのなほのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
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終始、静かに涙が流れてくるいい映画だった。誰にオススメするでもないけど、1人で浸る素敵な時間。とにかく映像が綺麗で、出てくる家の内装も素晴らしくて、ずっと見ていたかった。あの家を詳しく見たいと夢中になっているうちに、そういえば「コロンバス」の監督だった…それも観ようと思った理由の一つだったと思い出した。
近未来というのは意外と金属ばっかりじゃなくて、こうゆう緑とか文化とかを残していくのかな…そうだといいなって思った。
無駄を省かれた牛乳パックのデザインとかも素敵で、本当に美術を見ているようだった。

訴えかけるものは見た目だけじゃなくて、ヤンの暖かい視線や、哲学的な問いかけがじんわりと響いて、普段何気なくそばにあるものに日常の愛が詰まってて泣けてきた。ヤンは兄で世話係であっただけでなく、みんなの話を聞いてくれる精神的な支えだったのだと気付いた時にはその喪失が大きく受け止めきれないくらい膨れ上がっていた。
パパもこれでクローンに対する理解が少しでもできるのかな。
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