あなたから、わたしたちからこぼれ落ちる小さなかけらを弛まず集め続けることが、親密さだと思う。些細なことを忘れたくないと思うのは愛。こぼれ落ちた小さなかけらを見つければ見つけるほど、わたしたちは結びついてひとつになっていく。かけらを拾い合った相手を突然失ったら、そのひとつひとつを見返すたびに、感情の波はどんどん大きくなって、いつしか飲み込まれてしまう。ただその中を漂っていられたらいいのに。
気がつけばたくさん集まっていたそれらを見せ合っても、きっと同じものはひとつもない。自分にとっての大事な瞬間が、相手にとっても大事な瞬間であるとは限らない。良い意味でも悪い意味でも…だから些細なことに気をつけようと思うし、気付きたいと思う。あなたが落としてしまっても、私が拾って大事にする。ヤンのメモリに記憶されていた、光の揺れる美しいランドリールームも、木々も、忙しい家族にはほとんど見えない。触れ合い愛しみ合う時間も今はほとんどない（ようにみえる）。当人には見ることのできないかけがえのない瞬間を、忘れたくないと思ってくれる人がいることはどれほど幸福なことだろう。私が持ってる小さなかけらのなかで、いつだってあなたに会える。無くしちゃったのもあるけれど、沢山あるから寂しくないよ。
