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アフター・ヤンのfinancierのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
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メロウなメロディに乗ったメランコリックで、A25らしい、モヤつきを抱える羽目になる雰囲気系SFだった。
リリィ・シュシュのすべて、あれは辛くてやな映画だったなぁ…。

映像とか流れはひたすらきれい。
現実味がなくてユートピアとディストピアの狭間のような、家族以外の問題の見えない世界。
執拗に配置される、ヤンと同じように長い時を生きる植物たち。

登場人物の愛情、全部一方通行に見えた。
こわい。

私はSFにはリーズナブルさを求めるタイプ。
だから、なんで中国系の養女の名前が「ミカ」なのか気になってしかたなかった。
ルーツルーツ言うのになぜ日本風の名前なのか。
【東アジア】くくりなのか?
黄色く平たい顔の人種であれば良いのか?
メイシャン(美香)やメイグォ(美果)、メイグゥァ(美歌)じゃいけなかった理由は?
「カ」の音の漢字をぼかしたかった? そんな理由はやだなあ。どっちの文化にも失礼だよ。

(制作に)好意的かつハードSF的に解釈すると、日本は滅びて中国に身を寄せているか、 属国になってジェイクの国に子供を供給するファームになっている。
そうなると、その子供(ミカ)に中国をルーツとして植え付けることはとてもグロ(くて良い)いね。
(この段落は一から十まで妄想です)

まあ無いですね。
画面に日本趣味出してるし…。

あと、テクノの剥き身が、「人体の不思議展」くさくてそれはかなり嫌だった。
(展示物の素材の出所が不確か極まりないと聞いているため)

記憶と記録のズレの表現はとても好きだった。
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