ロクシ

アフター・ヤンのロクシのネタバレレビュー・内容・結末

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ好みの作品だった😭😭
劇中はずっと静かに描かれてぶつっと終わるけど、ヴァイオレット・エヴァーガーデン味を感じる映画でした。

・あらすじ
家族ロボットとしてアンドロイドが購入できる、近未来
(多分)アメリカ人主人公は、中国人の女の子を養子にする際に、兄として中古のアンドロイドのヤンを迎え入れる。
養女のミカは、忙しい両親の代わりにいつも自分に寄り添ってくれるヤンが大好きだった。

ある時ヤンが故障してしまうが、古い機種のため修理先が見つからない。
落ち込んで学校にも行けない娘のために、なんとかアンドロイドを直そうと修理先を奔走する父親。
このとき、まだ主人公にとってヤンはただの愛玩ロボットでしかなかった。
ある時、ヤンの中にアンドロイド自身が選択的に残せるメモリーがあると知り、主人公と妻はメモリーを見ることに。

ヤンはどんな記憶を保存していたのだろうか。

ヤンの中にある数秒の断片的な映像は、どれも家族との思い出だった。
断片的な映像から、彼との思い出を呼び起こす主人公。
ただのアンドロイドだと思っていたのに、彼が残していたのは、娘の成長を愛しく見守る映像、家族写真を撮る映像。
あの瞬間をヤンが大事に思っていてくれていたなんて
ヤンが自分たちを家族として愛していてくれていたなんて
メモリーをたどるうち、主人公にとってロボットだったヤンが、本当の息子になっていく。
すれ違いだった夫婦も、ヤンの喪失の悲しみを共有するうちに、絆が深まっていった。

・感想
メモリーをたぐるうちに、過去の一人目の主人の姪と親しくなるシーンがあるのですが、彼女は若くして死んでしまい、そのクローンであるアイダをカフェで発見して、また愛するようになったのがわかったシーン
めちゃくちゃエモかったです😭
一つめの家族データ"アルファ"のファイルがデカすぎてなかなか解凍できない演出も、一体何が隠されているのか!?とワクワクしてよかった。

さらっと描かれていますが、ジェイクの家族愛とまた別の、時代を超えたラブストーリー😭(家族的な愛かもしれないけど)
年を取らないロボットだから、愛する人間を看取らなければいけない。
不死であるゆえ愛するものとの死別の苦悩みたいな物語は、昔から他の作品でも描かれていましたよね。トッケビとか。

だからヤンは、主人公の奥さんに
「終わりが無でも構いません。無があるから有があるんです」って言ったんでしょうね。
ヤンは壊れてしまったけど、きっと安らかになれたでしょうね。
いつも看取る側なのに、悲しんで見送ってくれる人がいてよかったね。

・セリフがリバーブかかって二回繰り返されるところが何箇所もあるのですが、あれは動画のバグじゃないですよね?思い出の演出なのかな

・中国人の子なのになんでミカって日本人名やねん!!ってずっとモヤモヤしながら見てたら、ミカエラの愛称であるんですね。
ちなみになんで中国人の設定かというと、原作の小説が東アジアで戦争があって、中国人の戦争孤児でいっぱい出たから引き取ることになったそうです。
私は主人公が、中国茶に魅了されたから、中国人を養子にしたいと思ったのかなと思いましたが

・劇伴がめっちゃリラックスBGMで最高でした。坂本龍一って書いてあるけど、サントラはアスカマツミヤさんという方だそうです。You Tube musicにあったから明日から聞こう。

・テーマソングはリリイ・シュシュのすべての曲だそう。ヤンがライブで着ていたTシャツにもリリイ・シュシュと書いてあります。邦画あまり見ないんですが見てみようかな。
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