クリーム

アフター・ヤンのクリームのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.0
映像がとても美しく、敢えて鏡を使った撮し方は、「アフターサン」を思い出しました。AIロボットを巡る家族のドラマになっていて、SF感は薄いと思います。
ヤンの過去を紐といて行く等、引き込まれる内容で面白くもあり、せつなくもある。映画は、主人公ジェイク一家の家族の何日かを切り取っています。素敵な作品でした。

人型AIロボットが一般家庭に普及した近未来。茶葉の販売店を営むジェイクと妻カイラ、幼い養女ミカの家族には、ヤンと言うロボットが一緒に暮らしていた。ある日、ヤンが故障で動かなくなり、幼い頃から兄の様に慕っていたミカはショックを隠せません。ジェイクが修理の方法を模索する中、ヤンの体内に毎日数秒間の動画を撮影できる装置が組み込まれている事が解ります。そして、そこには大切な記録がありました。



ネタバレ↓



ヤンを中古で買った為、修理が難しかった。ヤンは貴重なタイプのロボットで、
研究者の女性は、ヤンを展示させて欲しいと言い、中のメモリーチップを取り出す等協力してくれます。
メモリーチップを見るとジェイクの家族は、ヤンにとって3番目の家族だった。
ヤンは、美しい母と養子でアジア系の息子を育てる親子と一緒だった。その息子の子育てを手伝い、彼が巣だった後、年老いた母と暮らし、その時エイダと知り合い彼女と恋に落ち、彼女が交通事故で亡くなるまで一緒にいた。
ジェイクとミカと共にヤンの記憶を辿ってくれたエイダは、彼女のクローン。ヤンが世話した女性は彼女にとって大伯母にあたる。
そんなメモリーチップ内のヤンの記録を見て来たジェイクは、仕事が忙しく今までの家族との関わりを改めて考えます。
ラストにジェイクはミカにヤンを展示したくないと言ってプツッと終わります。

ヤンの終わりは、動画内の記録が科学の発展の役に立ち。共に過ごした家族の記憶の中にかけがえのない1人の家族として残ります。そして、さらに家族の絆を深める力となった。ラストにプツッと終わる意味が最初解らなかったのだが、
ヤンの記録の様に家族の記録を切り取ったって事だったのだと思います。AIが家族になる日が来るのかも知れない。
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