もりあゆむ

アフター・ヤンのもりあゆむのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.0
静謐で美しい映像、ゆったりとしたテンポ。
監督は小津安二郎の信奉者らしいが、小津映画はどれも観ていないので、共通点はわからない。
でもとにかく、映像、音楽、進行が心地よい映画だった。

メモリーに残されたヤンの記憶を表す映像が素晴らしい。
人の記憶(=魂?)を宇宙に例えていて、映画の主題にも繋がるものだろう(ヤンは人ではないところがポイントか)。

メイメイ役の演技が愛らしく、涙を誘う。
グァグァはAIなのだが、兄妹の絆はとても深い。

紹介文などにもあるように、人間とは、家族とは、という問いに真摯に向き合った映画だし、加えて、遺伝、民族、文化の継承、自然界と命の循環、などなど色々と思考のテーマを与えてくれる。
エンドロールで挿入歌の歌詞を読んで改めて感動。
I wanna be just like a melody Just like a simple sound Like in harmony...
黄色のTシャツの意味がわからなかったのだが、後で調べてこの曲との関連を知り、監督の思いが伝わってきます。

A24は独自の立ち位置で、観客や商業主義におもねる事無く作りたい映画を作っているようで、頼もしい。
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