わせ

アフター・ヤンのわせのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.0
命も、こころも持っていない筈の人型ロボットから 生と死、家族の喪失、そして家族そのもの、愛までもを今一度考えさせられるという不思議な体験をした。壊れたロボット、ヤンが残した数秒間のメモリを辿ってゆくだけの話。無機質だからこそ映し出せたあたたかさと平等な視点から生まれた美しさがそこにはあった。ヤンを見ていると、彼がロボットであると思えなかった。わたしたちと同じに心を持っていて、嬉しいことも悲しいことも彼はすべて分かっているような気がした…と、そんなことを どうしても考えてしまう、これって物凄く人間臭い考え方だ。有が無ければ無も存在しないというヤンの言葉がもうずっと頭の中をグルグルとしている。 中身なんて無いのかも、ただそこにあるのは確かなる愛、自分以外の存在と対峙することでのみ満ち足りる多幸感とそれによる成長。それだけ。
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