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アフター・ヤンのKoSatoのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.5
むーー。これは…
明らかに人間ドラマだ。
SFという「ジャンル」が割り当てられているのが、怖くなってしまうほどに。

AIロボットを扱う映画にしては表現が繊細で、哲学的な問いが多い。なかなか脳内の整理が追いつかない。

回想シーンでの会話が複数の言い方で重複しているのは人間の記憶の曖昧さで、ヤンが記録する数秒の映像は正確な歴史である。そしてヤンの記録は人類の発展のために科学へと変換されようとしている。
お茶は、もともとは不味い水をどう飲むか工夫した物という「歴史」から、究極の茶葉を追い求める「文化」へと昇華している。
さらに主人公の職業は茶葉屋であり、成分や味覚という「科学的な領域」ではなく、何かを感じ取りたいという「歴史から産み出される感情」に関心があるようだった。
科学技術の発展に対して、我々が持つべき倫理観を「歴史・記録・科学・感情」という観点で問われているように思えてくる。

人種的なテーマに対しては、もう少し勉強しないと言及が難しい。
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