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境界線のrebのレビュー・感想・評価

境界線(1966年製作の映画)
3.3
新文芸坐シネマテーク クロード・シャブロル特集で鑑賞。
第二次世界大戦中ドイツ占領下のフランス。ジュラの街は、橋の上の境界線でドイツ支配地域と自由区域に分断されていた。
本作は、原作が有名なレジスタンスであるレミー大佐であり、ロンドンで自由フランスを樹立し、レジスタンスと共闘したシャルル・ド・ゴールの人気もあり、この頃多く作られたレジスタンス映画のひとつである。
しかし大寺さんの解説によると、父親が元レジスタンスだったというシャブロルは、そういうプロパガンダ作品を作るのは、あまり乗り気ではなかったらしい。
本作でも、通訳としてドイツ側のスパイみたいなことをやっている人や、ユダヤ人をドイツ側に売ったりする人が出てくるが、厳しいドイツ支配の中で、村人全員が一丸となってレジスタンス活動に命を懸けるということは、美化された映画ほどは無かったとか。
まぁ生き延びる方が大事ですもんね。
仕方ないから商業作品は撮るけど、善悪は曖昧にしますよ〜というシャブロルのレジスタンスが感じられた作品だった。
最後にナチスの旗がはためく所で、ブルゴーニュワインを片手にシャブロルがニヤリとしている姿が目に浮かんだ。
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