ヴェルヴェっちょ

ハルカの陶のヴェルヴェっちょのネタバレレビュー・内容・結末

ハルカの陶(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

物語のテンプレートに忠実な作品という印象でした。

「第13回岡山芸術文化賞功労賞」を受賞した同名コミックを実写映画化し、岡山県備前市で陶芸に情熱を燃やす人々を描いた人間ドラマ。
東京で毎日を淡々と過ごしていたOLの小山はるか(奈緒)は、デパートの展示で出合った備前焼の大皿に強く惹かれ、備前市伊部(いんべ)地区へやって来る。意気揚々と大皿の作者・若竹修を訪ねた彼女の前に現れたのは、頑固でぶっきらぼうな職人気質の修(平山浩行)だった。勢いのままに弟子入りを志願するはるかだったが、相手にしてもらえず、見かねた人間国宝の榊陶人(笹野高史)の計らいにより、どうにか修行見習いの身となる。気鋭の作家として陶芸と向き合う修には、過労死した陶芸家の父(村上淳)との約束があった。

平凡な日々を送っていたOLが、ひょんなことから陶芸の虜となり、会社を辞めて陶芸家に弟子入り志願…という、どこか既視感に満ちたベタな話。 気難しく頑固な陶芸家に、直向きに弟子入りを乞い続けるハルカ…展開もベタベタ。誰にも心を開かない修にも、人のプライバシーを土足で詮索するハルカにも、共感はできず…。
意外性のない分、雛形を外さない期待通りの仕上がりになっているようには感じました。
ともあれ、釉薬もかけず絵付けもせず、約1200℃の高温で焼成する備前焼(伊部焼)の、素朴ながらも底知れぬ味わいときたら。